2026/08/26 12:58

昨年の秋、子どももそろそろ小学校の生活に慣れ始めたころ。
もう小学生だし、習い事のひとつでもやらせたほうがいいのかなと思い、何がいいか考え始めた。
とにかく、絵を描くことが好きなので、絵を描いたり、何かを作ったりするのがいいかなと思い、探してみたところ、電車で一駅行ったところに絵画教室があるのを見つけた。
さっそく体験を申し込んで行ってみると、年齢の近い子もいたりして、楽しく通えそうだったので、翌月から週に1回通うことにした。
初日、さっそく連れて教室に入るも、席が用意されておらず、ましてや前回、申し込みをしたことすら覚えていないんじゃないかという先生の様子に違和感を覚える。
しばらくして、確信した。
とにかく、物忘れが激しい人だ。
まあ、悪い人ではなかったし、子どもも楽しそうに通っていたので、こちらが気をつけていればいいかと思った。
初めは、子どもが慣れるまで1時間半付きっきりでいたけれど、途中からわたしは近くのカフェで時間を潰し、終わる時間に迎えに行くというやり方に変えた。
しかし、ある時、迎えに行って見てみると、子どもの絵が全然進んでいなかった。
子どもはなんだか不貞腐れている様子で、先生から事情を聞くと、絵のことで注意をしたら、機嫌が悪くなってしまったということ。
結局、最後まで気持ちの切り替えができなかったようだ。
バッと思ったことを言う先生の性格が、子どもと相性が悪いらしい。
帰ってから子どもにも、「絵が上手になりたかったら、先生のアドバイスを一度聞いてみたら?」などと話してみたりするものの、何度かそういう日があって悶々とした。
お受験を目的としているわけではないし、わたしとしては、ただ楽しんで絵を描いてほしいだけなので、うまいこと子どものモチベーションを上げてくれたらいいのになあ……と思うけれど、先生の性格を見ていると、そういうことができる人でもなさそうだ。
なんだかんだ、子どもが行きたがるので通い続け、半年以上が経ったころ。
児童画コンテストについての案内を先生がしてくれて、応募する絵を描くことに。
出すと決めて、その絵を描き始めたにもかかわらず、毎週のように同じコンテストを案内してくる先生をうまく交わしつつ、下絵から少しずつ進めていき、6割ぐらい描けたかなというところ。
もういよいよ締め切りが近くなっているけれど、今日の講座で完成しなかったら、家に持ち帰って仕上げればいいかと思って、子どもには、
「今日できるところまで頑張りや〜。もし終わらんかったら、残りは家でやろう」
と伝えていた。
が、迎えに行くと、まっっっっっったく進んでない。
またもや不貞腐れた我が子。
事情を聞くと、また先生はコンテストに出すということを覚えておらず、今初めて聞いたぐらいの勢いで、「今からじゃ間に合わない!」と子どもに言い放ったことで、また子どものやる気を削いでしまったのだ。
応募期限まで、まだ3日あったにもかかわらず、そんなふうに対応されたことに内心はめちゃくちゃ腹が立ったが、そこは淡々と、
「まだ間に合うので、持ち帰って仕上げて送りますね〜」
と帰宅。
その後の2日で何とか子どものケツを叩き、絵を仕上げて、期日に間に合わせることができた。
そこで、ふと気がつく。
家でできるやん……。
わたし自身、子どもの頃から絵を描くことは得意なほうなので、ある程度は教えられるということに気がついてしまった。
月謝として払っていた分を、いろんな画材を試したり、美術館に連れて行ったりすることに使うほうが、よっぽど有意義だなと思ったり。
しかも、本当だったら月の最後の週に翌月分の月謝を払っていたが、この月はたまたま先生がこちらに月謝袋を渡すのを忘れていたため、まだ翌月分の月謝を支払っていなかった。
先生の物忘れの激しさが、まさかこんなところで功を奏すとは!
このタイミングを逃す手はない!
そう思い、やめる決断をした。
それから2ヶ月が過ぎた頃、子ども宛てに1通の封書が届く。
送り主を見ると、あの児童画コンテストからだった。
ドキドキしながら、子どもと2人で中を見てみると、そこには「入選」の文字が!
わたしは、心の中でガッツポーズをした。
