2025/10/16 09:36


誰かと暮らしていると、ふとした瞬間に険悪な空気が流れることがある。


今回も相手の言動でモヤモヤが募った。

黙ってイライラしても解決しないことは、長年の経験で学んだ。

だから少し時間をおいて、自分の気持ちと原因を相手に伝える。

それができるようになっただけでも、昔のわたしからすれば大きな成長だと思う。


けれど、そこで相手が受け止めもしなければ、わたしはもう何もしない。


ただそれが、ふたりで家にいる休日に起こると厄介だ。

向こうは絶対に外出しないし、わたしもインドア派。

結局、関わらないようにと互いを意識しながら、居心地の悪い1日を過ごすことになる。


 これ以上、不毛な1日を増やしたくない。


そう思いたって、子どもを学校へ送り出したあと、読みかけの本とノートをカバンに詰めて家を出た。

ついでにゴミも捨てて。えらい。


さて、どこへ行こう。

効率や目的はいったん忘れて、気分に従ってみる。今日は電車にはあまり乗りたくない。

あまり行かない方向の、一駅となりの街。

広い公園もあれば、喫茶店や本屋もある。

雨もやみかけている。歩いてみよう。


コーヒーが美味しい喫茶店で読書を楽しみ、公園のベンチで一休みして、本屋へ。

お腹がすいたらカフェで軽く食べて、また本を開く。


文字にすると何でもない休日。

けれど、わたしにとっては何年も想像しては叶わなかった1日。


たった一駅足を伸ばしただけで、本は驚くほど読み進められ、気持ちもすっと整った。

帰ればまたイラっとするかもしれない。でも今この瞬間は、充足感に満たされている。


大抵のことは、自分次第でどうにでも変わる

そう確かめられた、かけがえのない「なんてない1日」だった。